私は高校時代、授業中は先生の話をぜんぜ~ん聞かずに電子辞書に入っていた青空文庫をひたすら読んでおり、それでドグラマグラも読んだんですけど、その中に
(前略)頭の上の電燈のスイッチを一ツ……二ツ……三ツ……と切って、最後に四ツ目をパッと消してしまいました。
しかし室内はモトの闇黒には帰りませんでした。閉じられた窓の鎧扉(ブラインド)の僅かの隙間から暁の色が白々と流れ込んで、部屋の中のすべての物を、海底のように青々と透きとおらせております。
という、夜明け近い室内の様子を完璧に描写した一節があり感銘を受け(海底のようにという比喩がすばらしい!)、もうどんな話かはほとんど覚えていないのにここだけの印象で「綺麗な話」になっているので、奇書扱いされることに違和感があります。
今引用するためにダーッってスクロールして読みましたが奇書でした。